好きな事との付き合い方
私にとって一番大切なものは何か。迷う事なく「サッカー」と答える。
今回述べたいのは「一番大切な事」との付き合い方である。簡潔に言うと「好きな事に振り回されていては本末転倒」という事である。私の場合はサッカーであるが、それが「人」の場合もあるだろうし、自分の価値観「哲学」のもと行動する事を何よりも大切にしている人もいるかもしれない。どの場合にも当てはまる話だ。
こんな事を書くのは「好き」という気持ちは間違った方向に働くと「自分を縛る」要因になると考えるからである。
私は大学一二年の頃は試合をコントロールするだけの技量が全くなかった為、週末の試合の事で頭がいっぱいだった。そこで変な思考回路に陥っていた。「とにかく人よりトレーニングを積まないといけない」とか、「飲み会とか行って試合に影響出たらどうしよう」とか。そんな事を日々考えてほとんどサッカー以外の関係性を絶っていた。その結果大学は全く楽しくなかったし、怪我をして結局シーズンを万全で過ごせなかった。トレーニングは量を増やせばいいわけではないし、週初めに飲んだアルコールが週末に影響なんて出るわけがない。冷静になれば分かる。しかしながら、その時は熱中しすぎて周りが見えていなかった。
そもそも好きな事(人でもそうか?)というのはこっちが勝手に好いているだけで向こうがどうかは正直よく分からない。だからこちらは「自分にはこれしかない!」と思い込んでいても、その対象が自分の人生を変えてくれるとも限らない。好きでやっていたのにいつのまにかその物に縛られているような感覚になることがある。
「自分にはサッカーしかない!」と思っていればサッカーの神様が振り向いてくれるかというとそんな事はないだろう。寧ろサッカーを言い訳に、他にやりたい事を封じるようになっていなかっただろうか。
大学三年の冬にサッカーで壁に当たった時にサッカーの事ばかり考えるとかえっておかしくなる事に気付いた。そこからボランティアの事業や、起業セミナーに参加したり、サークルの時間も大切にしたりするようにした。そこからメンタル的にも身体的にも調子が良い。他の事も全力でやるから試合の時にはスイッチが切り替わるようになった。
そもそもサッカーだけしていてもサッカーを知らない人はきっと応援してくれない。だからこそ、サッカーを軸にしながらもサッカーを言い訳にせず「多動」を大切にしたいと思う。
社会人になっても一級、Jリーグを目指してサッカーをするならきっと大変だ。じゃあ別のことは何も出来ないかというとそんなことはない。今と何も変わらない。サッカーで忙しいというのが、自分のしたい事を封じる言い訳にならないように。好きな事に振り回されないように、これからもサッカーを好いていたい。
N.K